[前編:生活インフラのSynology NAS(DS918+)が謎の不正再起動連発。最新のDS923+へ緊急移行して現状復帰するまでの全記録] の続きです。
最新のDS923+へのHDD移行(Migration)はあっけなく成功し、我が家のSynology Driveインフラは最速で現状復帰を果たしました。しかし、役目を終えて手元に残った「DS918+」。 ログ解析の報告にあった「リセットスイッチによる電源リセット操作が発生している」という言葉が、どうしても引っかかっていました。「リセットスイッチの修理ができれば復活する?」
インフラは復旧した。データは安全だ。ならば、復旧にチャレンジしてみよう!。思い立ったら即実行、工具を手に取りDS918+の分解を始めました。



これが問題のリセットスイッチ!
診断:テスターでは見抜けない、気まぐれな「暴走」
DS918+のケースを外し、メイン基板(マザーボード)へアクセスします。狙いはもちろん、公式サポートが指摘した「電源リセット操作」の源、背面にある小さなリセットボタン(タクトスイッチ)です。まずはテスターを当てて導通を確認しますが、普通に動作します。ここで一瞬「やっぱり基板全体の寿命だったのか」と諦めかけました。実際、このDS918+は初期化操作こそできるものの、起動して数分~数十分経つと、再び例の不正再起動(ハードリセット)が起きてしまいます。
ここで仮説です。「テスターで検知できるほどの完全なショートではないが、スイッチ内部にゴミやサビがあり、時間が経つとそれがリーク(微弱な電流を流す)して、『リセットボタンが長押しされた』状態を起こしているのではないか?」。
公式サポートの診断結果と、自分の「アナログな物理パーツの不安定さ」への勘を信じてみました。
修理:一か八かの「洗浄・復活コンボ」
犯人はタクトスイッチ。そう確信しましたが、物理的な交換(ハンダ付け)は困難でした。スイッチがLANコネクタの裏という絶望的な位置にあり分解難度が高すぎます。物理交換がダメなら徹底的な清掃で「延命」を試みるしかありません。用意したのは、電子機器修理の三種の神器、基板洗浄剤(エレクトロニッククリーナー)と接点復活剤です。
- 洗浄: 基板洗浄剤をタクトスイッチの隙間にこれでもかと吹き込み、内部のホコリや湿気によるリーク、微細な導電性ゴミを洗い流します。何度もボタンをガシガシとプッシュして、内部まで浸透させます。
- 復活: 洗浄剤が乾いた後、今度は接点復活剤を注入。接点の酸化膜を除去し、伝導性を安定させ、今後の予期せぬチャタリング(オンオフの暴走)を防ぎます。
この「洗浄&復活コンボ」を施した後、しっかり乾燥させて、組み上げて、電源を入れてみました。……1時間。……3時間。……1日。不正再起動は皆無。DS918+は安定したみたいです。復旧後結構経過していますが未だにトラブルは起きていません!
犯人はやはり、テスターでは見抜けない「タクトスイッチの気まぐれな暴走(微細なリーク)」でした。アナログな物理洗浄で、あっけなく延命に成功してしまいました。
検証:XigmaNAS(rsync)からのフルリカバリ、その実力は?
DS918+が無事に延命したことで、今回のトラブルにおいて、本当は最も重要かつ前編で「未検証」だった宿題に挑戦できる環境が整いました。それは、「 Hyper Backup × XigmaNAS(rsyncサーバー)によるバックアップは、本当に全データを元通りにできるのか?」の検証です。
「設定はしていたが、戻したことはない」——。多くのユーザーが抱えるこの不安を直ったDS918+を使って検証します。
リストアイベントの手順
- 直ったDS918+を工場出荷状態(初期化)にする。
- DSMの初期セットアップを完了し、Hyper Backupパッケージをインストール。
- リストア(復元)ウィザードから、既存のバックアップデータとしてXigmaNAS上のrsyncサーバーを指定。
- すべての共有フォルダ、すべてのシステム設定、すべてのパッケージ(アプリ)にチェックを入れ、復元を開始。
結果:理論上の安心が、確実な担保に
ぼーっと進捗バーを見つめます。数時間後、リストアが完了。すべての共有フォルダが元通り。欠損なし。ユーザー情報、ネットワーク設定などのDSMアプリもきちんと復元されています。



検証の結果、Hyper Backupによるrsyncサーバーへのバックアップは、NAS本体が完全に死んでもデータを守り抜き、かつSynology Drive環境までスムーズに復旧できる「最強の守りの盾」であることが証明されました。
しっかりと復旧確認できました。これからも安心して眠れます。😄
まとめ:災い転じて福となす。3-2-1バックアップの完全勝利
原因は「基板の寿命」ではなく、まさかの「タクトスイッチの物理的な接触不良」という、なんともアナログなオチでした。サポートの言う「ハードリセット」という言葉の、本当の意味を身を以て知る素晴らしい経験(ネタ)になりました。
「直るならDS923+を買わなくても良かったのでは?」と思われるかもしれません。しかし、DS918+はDSMの次世代バージョンアップ(サポート)から外れていく時期。安全な情報資産運用のための「前向きな世代交代」だったと納得しています。
何より、今回のトラブルのおかげで、「フルリカバリの検証」という大きな宿題をクリアできたことは、我が家の情報運用体制において計り知れない価値を生みました。見事に延命してしまったDS918+は、今後はメインの検証機あるいはバックアップのバックアップとして、のんびり第二の人生を歩んでもらおうと思います。
今回のトラブルの全教訓:
- 公式サポートを使い倒す: ログ解析は神。自分で悩むより、公式の「診断名」をもらうのがトラブルシュートの近道。
- 診断結果の裏を読む: 「ハードウェア故障」は、基板全体とは限らない。物理的なスイッチ暴走など、アナログなパーツの不調も疑う。
- 3-2-1バックアップは最強の保険: NAS本体が死んでも、外部(XigmaNAS/rsync)にデータがある。この「理論上の安心」を、皆さんもぜひ一度「検証」して、確実なものにしてください。
これにて、我が家のSynology NAS故障から始まる物語は、完全クローズです!お疲れ様でした!



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