はじめに
MacBook Proを購入したものの、「やっぱりストレージをもう少し奮発して1TBにしておけばよかった…」と激しく後悔していませんか?私は少し後悔しています。普段使うのに全く問題ないんですよ。でも残り60%が「まだまだ余裕」→「もうこれだけしかない…」と思う気持ちがどうしても湧き上がってきてしまうんです。そもそも最小構成が1Tからになってしまいましたしね。
昨今の円安や物価高の影響もあり、Apple純正のカスタマイズ料金は高くなる一方。しかし、近年のMシリーズMac(Apple Silicon搭載)は、メモリ(RAM)が不足するとユーザーに見えない裏側でストレージを「スワップメモリ」としてガシガシ消費するという仕様を持っています。そのため、普通に使っているだけでも内蔵SSDの容量圧迫は想像以上に進んでしまいます。
買ってしまったものはしょうがない。そこで今回は、MacBook Proのポータブル性とスペースブラックの美しさを一切損なわずに、内蔵SSDの「スペース」を確保する寝技の第1弾をお届けします。
悩めるスペースブラックの救世主「BaseQi 420AB」を購入
今回導入したのは、MacBook ProのSDカードスロットに挿してもでっぱりが一切なく、完全に「ツライチ」で収まるMicroSDカードアダプター「BaseQi 420AB」です。
末尾の「B」はスペースブラックにマッチするカラーを意味します。国内で買うとそれなりの価格がしますが、今回はあえてAliExpress(アリスク)で約4,000円という半額近い格安価格で購入してみました。

海外通販でここまで安いと「偽物では?」という不安がよぎりますが、届いた製品のビルドクオリティは非常に高いです。
後述するベンチマークでも本来のUHS-IIパフォーマンスがしっかり出ていることが確認できました。この価格で本物が手に入りまずは一安心です。
「DaisyDisk」で容量を可視化、そして「UHS-II 250GB」の選定
闇雲にデータを移すのではなく、まずはストレージ可視化ソフト「DaisyDisk」を購入して内蔵SSDを徹底分析。その結果、「速度はそこまで必要ないけれど、確実に数十GB単位で居座っているデータ」が浮き彫りになりました。

これらを逃がすため、カード側も妥協せずUHS-II規格に対応した250GB(256GB)のMicroSDカードを奮発して用意しました。MacBook ProのSDスロットはUHS-IIに対応しているため、従来のUHS-Iに比べて転送速度は2倍弱になります。少しお高い投資でしたが、これが大正解でした。
UHS-IIは裏面に特徴があります。
表面は特に変わりはありませんが、裏面には新たに端子が増設されている事がわかります。購入したBaseQi 420ABの動作確認には専用のSDカードが必要なのです。
と、自分に言い聞かせて「散財」してしまいました。


速度を計測してみました。
モバイル環境ですので基本的には「暗号処理」を施します。

内蔵SSDには遠く及ばないですが、日常使いには十分な速度が出ています。

暗号化すると半分以下に性能が落ちてしまいます。が、しかしUHS-Iの暗号無しと同性能なので運用には差し支えありません。

参考までに、そこそこ早いカードで計測してみました。もちろん暗号化を施すと速度が低下するのは確認しています。
UHS-II規格がきちんと処理できているので暗号化して運用しても差し支えなさそうです。
使ってみて遅ければ非暗号化して使いますが、問題はなさそうです。
SDカードへ追い出す「5つのターゲット」とシンボリックリンク
単にフォルダをSDカードに「移動」しただけでは、アプリがデータを見失ってエラーを起こします。そこで、macOSのターミナルから「シンボリックリンク」を張り、システムやアプリ側には「これまで通り内蔵SSDにある」と錯覚させつつ、実データだけをSD側に逃がします。
今回追い出したターゲットは以下の4つです。
- iPhoneとiPadのバックアップ(
~/Library/Application Support/MobileSync/Backup):容量大きめで使用頻度も低め。 - ビデオ(
~/Movies):1ファイルが巨大。 - 音楽(
~/Music):一度保存すれば読み込み速度を要求されない。 - ダウンロード(
~/Downloads):放っておくとゴミが溜まる魔窟。ここをSD側にすることで内蔵SSDの消費を防ぐ。 - Thunderbirdのデータ(
~/Library/Thunderbird):毎日増え続けるメールログや添付ファイル。テキストベースなのでSDカードに追い出しておきたい。
【実際のコマンド例】 ※作業前は必ずバックアップを取ってください。SDのボリューム名はスペースなしの英数字(例:microSD)を推奨します。スペースを入れる場合は「\(バックスラッシュ)」です。
# BackupのデータをSDへ移動
mv /Users/tosiyuki.uehara/Library/Application\ Support/MobileSync/Backup /Volumes/microSD/Library/Application\ Support/MobileSync/
# 元の場所にシンボリックリンクを作成
ln -s /Volumes/microSD/Library/Application\ Support/MobileSync/Backup /Users/tosiyuki.uehara/Library/Application\ Support/MobileSync結果:Thunderbirdも引っかかりなし!驚きの利便性
重いフォルダをすべて裏で逃がした結果、内蔵SSDに大きな空き容量が戻ってきました。
一番不安だったメールアプリ(Thunderbird)の挙動ですが、UHS-II規格のカードを選んだ恩恵もあり、引っかかりを一切感じることなくサクサクと超快適に動作しています。 さらに、この構築で得られた「最大のメリット」は次の連載で詳しくお話ししますが、「SDに逃がしたこの領域は、本体SSDから起動しても、次で紹介する外付けSSDから起動しても、完全に共通のストレージとしてそのまま共有できる」という、想像以上の利便性をもたらしてくれました。環境の同期(シンク)を意識する必要が一切ありません。
「安ければこんな苦労は…」というのが本音ですが、知恵と技術で制約を乗り越えるプロセスは最高に満足度が高いハックとなりました。
次回予告: 外出用のミニマル環境は整いました。しかし、自宅で動画編集やビルド開発など、腰を据えて重い作業をするにはSDによるストレージ増設だけでは物足りません。次回は、Time Machineのバックアップをフル活用し、このシンボリックリンクの構造ごと大容量外付けSSDに複製して爆速化した「外付けSSD外部起動編」をお届けします!



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