はじめに
理事長就任してから1年が、あっ!という間に過ぎようとしています。いろいろと進めたいことがあったのですが、何に一つゴールを迎えることはできませんでした。分かってはいたのですが、やっぱりな結果です。うーん。
来期も引き続き、理事会のIT環境整備を進めていく考えでいます。
まずは、今年の成果を記事にまとめます。
活動報告1・管理会社
理事長になって最初に感じたことは「何一つ継承されていない」事でした。代替わりする度に奇麗にさっぱりリセットされています。理事会側の意識もありますが、管理会社の離職率の高さも大きくある様です。企業ガバナンスは昭和のソレで「人への依存」がとても強いため、離職すると引き継ぎの際に消え去ります。また、理事会側が温厚な方が多いので、なおさら甘えた対応ではないかと感じました。
管理会社へのプレッシャー
全てを管理会社に預けている事が問題であると宣言しました。当たり前ですが、理事会と管理会社は主従の関係です、ですが一切の情報は管理会社に集まっています。
結果として、マンション規約などの遵守など、最初の一手が打てないままでいます。マンションに入居していら30年近く、規約違反を暗黙の了解で迎えていました。幸いなことに「問題がある住人」は居なかったのですが、これからの不動産価値を維持しできれば高めるためにも、ちゃんと運営できているマンションというステータスを作る必要があると考えています。
今期は、理事長として、権威を持って管理会社へのプレッシャーを与えました。もちろんカスハラにならない様、礼節には注意いたしました。
また、担当者が離職
それでも、また、担当者が離職しました。引き継ぎの中、いろいろとヒアリングしてみたのですが、やはり相当に仕事はシンドイ感じですね。人と人との交渉がメインなので、受けるプレッシャーは相当なものなんでしょう。とはいえ、理事長としては関係ないので、管理会社には離職を理由に品質の低下がない様にとクギをさしました。
でも、けっきょく「担当が増えて時間がない」的な言い訳が目立っています。マンション管理士の年収近くを毎年払っているのですから「泣き言は言うな」なんですが…
管理会社の課題
本来、マンション管理士は高い知識と経験が要求される職業です。
ですが、担当は知識はあっても、それを行動に起こせない状況にありそうです。「理事長の判断が必要だ」「意識している」は良く言うのですが、そもそもアクションがありません。会社と同様、PDCAサイクルを回してほしいのですが管理会社主体では定型的なことしかできない様です。
理事会で情報共有の手立てを作る
そこで、理事会サイドでPDCAができる様、IT基盤の構築を始めることにしました。まずは実証実験として、WordPress.comやGoogle、Microsoftの無償サービスを利用して構築します。そこに情報を集約して、理事会側で情報を長期共有できる様にし、管理会社の束縛から逃れる準備とします。
活動報告2・情報共有基盤の整備
今期実施した情報共有基盤の整備について整理します。とにかく予算は0円、理事会形成の礎に私の経験と知恵を奉仕するのみです。
無料のITサービスを利用して基盤を整備する
理事会メンバーは5人なのですが、実際には副理事長との二人体制です。とりあえず、実証実験の名目で副理事長との情報共有基盤を構築しました。ITにも理解があり、WordPress.comへの入会も問題なく、最初の会員登録は成功でした。
今期の総会で発表し、自由参加してもらう道筋を広げていこうと考えています。
マンション理事会ブログ
マンション理事会ブログは、一つはオープンな匿名ブログ、もう一つは理事会専用の非公開ブログとして構築しました。
オープンなブログはマンション運営に関する情報共有と市場の共有を目的に使い、非公開ブログは具体的な課題を共有に使います。
住所録などの預かりに向けた準備
重要な秘密情報はOneDriverのユーザーValute機能を使うことを提案する予定です。無償ながら機密性を提供でき、さらに誰にでも紹介できそうなのはOneDriverくらいしか見当たりません。本当はGoogle Valuteしたいのですが残念ながら有料です。
一般的な情報はGoogleDriveに格納します。将来的にコストが使える様になれば、Google Valuteに統合したいと考えています。
管理組合向けLP
管理組合ブログのLP /LandingPageを作ってみました。どちらかと言うとSwellの勉強用に作ってみました。
To.DigitalARTs.blogのLPを作る機会があれば、その時にフィードバックしたいですね。
メーリングリスト
Google Groupを使ってメーリングリストを構築しました。理事会メンバー全員でのメッセージング環境として、まずはメーリングリストを用意しました。これで、理事会メンバーのメールアドレスを一元管理できます。
マンション理事会の共有カレンダー
理事会で情報共有する上でカレンダーは外せません。定番のGoogleカレンダーを理事会で共有する様に仕立てました。カレンダーをブログに組み込むのは特に難しくもなく、WordPress.comで稼働するブログでも利用が可能です。しかしながら、スマホからアクセスすると認証がうまくできず表示できないので注意が必要です。また、無償で利用できるのは人のスケジュールなので、よくある会議室予約みたいなリソース系の予約については工夫が必要です。
GMailとQRコードの活用
GMAilへのポストURLを作成して、QRコード使って簡単にメールが出せるようにしました。WordPress.comなのでWebポストではなく通常のメールクライアントを利用します。
実証実験を開始
IT基盤の整備が進んだので、具体的な実証実験を開始してみます。まずは有償資源の有効活動として、空き駐車場のブッキングシステムを構築します。今期理事会にて実証実験を行うことを宣言しました。
清算のやり方
清算には管理会社の協力をもらいます。管理会社の月極の自動精算に利用料金を上乗せする仕組みです。メールの受け先は管理会社の営業担当全員とし、同時に理事会にも送付します。アナログな手法ではありますが、とりあえず無償での調整ができました。
金額は、周辺の駐車場が¥800/日なので、¥700/日と設定しました。
共有カレンダーを使って空き駐車場を活用する
精算方法が決まりましたので、管理会社と理事会へ適切にメールできる様、QRコードを活用します。幸い「ORのススメ」では複数の宛先を設定できるので問題はありません。WebLinkでも同じ様なメールアクションが取れる様「mailto」を設定します
mailtoは以下の様に記述します。詳細は省略します。
mailto:理事会メアド,管理会社メアド?subject=[予約]駐車場の予約申請&body=日付:%0D%0A開始時刻(または終日):%0D%0A終了時刻:%0D%0A部屋番号:%0D%0A連絡先(オプション):%0D%0Aコメント:
実際にクリックすると、対応するメールクライアントが起動し、雛形が展開されたメール原稿が表示されます。
テンプレート付きなので記載の漏れはないでしょう。あとは、まぁ、理事長として見守る事にします。
スケジュールの可視化
理事会の共有カレンダーがあるので、こちらに予約を書き込んでもらって可視化できるようにしておきます。ただ、先に説明した通りスマホではうまく表示できないので、あくまでも参考程度にとどめます。将来的にはWordPressのプラグインで運用したいともいます。
なお無料版Googleカレンダーでは、ゲストが重複予約をするには追加設定が必要でしたので、以下に備忘録として設定手順を残しておきます。
- 理事会カレンダーを作成
- メインカレンダーとして利用
- だれでも更新可能な設定にする
- URIを共有する
- リソース予約用カレンダーを追加作成
- 予約状況の可視化に利用
- だれでも更新可能な設定にする
- 予約の重複を有効にする
- URIは共有しない
予約時のゲストに理事会アカウントのGMAILアドレスを設定するだけで、予約が可能です。
ブログには理事長カレンダーを貼り付けています。
運用マニュアルの作成と共有
理事会システムの運用管理者を理事長から任命する形式にしたいと考えています。
- 運用管理者が、IT資産のパスワードや情報管理を行う
- 情報はクラウドに置いて共有する
- 重要な情報はOneDrive Valuteに置いて監査可能にする
- できればAKIの運用実験にも使いたい
来期について
来期にやりたいことを書き連ねます。
理事長に立候補
まずは、来期の理事長に立候補しようと思います。来期は特に理事長不在が予想されるので、多分問題なく選任されるはずです。(^^;
マンション管理規約の更新
マンション管理規約は購入時のままなので、時代に合わせた調整が必要です。特に情報管理についてはアナログ過ぎて、デジタルな今では運用が難しいのではないかと思っています。
来期はマンション管理規約の見直しをテーマに活動をしたいと思います。できれば決議まで進められると、いろいろと経験値がたまりそうです。
マンション管理規約の雛形を収集
管理会社から、直近のマンション管理規約(の雛形)を入手しました。続いて、他の公的な雛形として、国土交通省版(これが原書)、マンション管理センター版、の2書を入手できました。これらの雛形を比較検討することで、国や企業体の考え方が見えてくると面白いのかなと考えています。
入手した文書は洗濯(クレンジング)が必要
文書の差分比較で簡単にできると思っていましたが、大間違いでした。(^^;
課題は以下の通りです。
- 国土交通省の雛形を含め、文の途中で改行されているカ所がある
- 半角英数字と全角英数字が混在
- テキストエディタの「半角数字を全角数字に変換」機能で統一した
- 空白(半角、全角)タブなどを編集時に書き換えてしまっている
- 置換に”[ \t]”を指定し、空白を削除(わかりにくいですが[]内に半角空白と全角空白が記入されています)
- 空行が挿入されている
- 置換に”^(\r\n|\r|\n)”(正規表現)を指定し、空行を削除
- 項目全体を1行になるよう改行を整理した
私はCotEditorを使ってクレンジングをしました。Windowsではサクラエディタがおすすめです。これらの処理を行い、文書をデジタルに比較できる準備が整いました。
比較検証ツールの準備
データの準備が整ったので、あとは差分のチェックと可視化です。ここまで整理するとプログラム開発の差分比較と大差はありません。テキストの差分検証ツールを使って、変更部分を可視化できます。
Macの場合はFileMargeが無料で使えます。FileMargeは単体アプリとしては配布されていません。開発環境Xcodeを導入する必要があります。導入しておくと便利ですから、この機会に導入しておくことをお勧めします。
管理会社と情報を共有するために、差分情報が文書で残せないと管理会社との調整が大変そうです。
こちらはWinMarge/Windows版をお勧めします。HTML形式で差分全体を資料として保存できるので便利そうです。残念ながらMacOS版はありません。
マンション管理規約の新旧を比較
雛形資料は入手できましたので、続いて管理会社が作成したマンション管理規約を新旧で比較してみました。言うまでもなく、全体的に変更されています。30年近い年数を感じることができました。この状況を理事会に見せることで、管理規約の更新が必要であることを周知できそうです。
管理会社が作成した新管理規約の確認
実際のマンションに向けたカスタマイズが明確になります。管理会社基準から何を変えたのかを知ることで、注意すべき点や理事会として対応すべき点が明確になると期待しています。また、先の雛形同士の比較にて、管理会社の思惑も読み取れればと思っています。
整理された書式を持つWord文書を管理会社と共有
チェックしたテキストデータから、再度Word文書を起こしました。書式や段組も再設定することで、デジタル処理がしやすいPDFが出力できます。管理会社から受け取ったWord文書と内容が相違ないことを確認し変更履歴を有効にました。今後は、このWord文書をベースに管理会社と更新を重ねる事にします。変更履歴が残ることで、理事会への説明も簡単になります。
まとめ
管理規約については、もう少し進んだら改めて詳細な記事に起こします。文書のクレンジングなんかはいろいろと役に立ちそうですし、管理会社とのやりとりも面白い記事になりそうです。
将来の資産価値の向上に結びつくと確信して、理事会による自治を目指した活動を進めます。
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